雑)カバラってなに?

初めに。自分でテーマを決めておいてなんですが「そう簡単に解説できるもんじゃない」です(苦笑
まぁ人は「神に挑むために」生きているモンですし。不可能に見える到達点に向かってがんばってみたいと思います。

さて。まずカバラは「ユダヤ教」に端を発するものです。端的に言うと、ユダヤ教の神秘主義的部分の口伝まわりをさしている、という見解がおおむね一般的だと思います。
個人的には「奥義」とかそういった「ちょっと高めに自分をおいた」見解にはある程度批判的です。単純に、ひとつの宗教(という考え方)の一側面であり、カバラは「神秘主義に特化した」側面であろう、というのが私の捉え方です。
かすかに脱線をしますと。ユダヤ教はキリスト教のベースになっている宗教です。また、そのために一神教(唯一神のいる宗教)です。基本的には、律法とよばれる戒律を信じて守っていくことが大切であるとされています。ちなみに律法はキリスト教のプロテスタント派が用いる旧約聖書と一緒です。
んでもって、そこからさらに「日常生活の指針」にまで踏み込んだものが出来上がり、それがタルムードと呼ばれています。
で…話をすこし本題に戻しまして。そのユダヤ教の1側面のわりに、カバラは割合に「多神教的」要素の強いものになっています。

さて。カバラは、さらに4つに分類されます。…面倒なことに。

さて。…解説が長くなるので気の短い方や頭がパンクしそうな方は速やかに本題に移動することをお勧めいたします。

まずは「あんまり深く突っ込むつもりのない」ラインから説明を。
文字によるカバラ。乱用されていて、かつ扱うつもりのないトップクラスです。
簡単に書くと「文章や単語に暗喩をくわえ込むための手法」です。よくある話なのですが、大抵神秘主義的文章ってのは「はっきりとは書かない」傾向が強いです。そのために、こういった暗喩暗号の類を使って「わざとわかりにくく、わかる人間にだけわかるように」かかれることがままあります。
以下、簡単にその手法の説明を。
テムラー。文字を置換する方法です。日本語だとしんどいのですが。英単語で「ある単語の各文字を並び替えて別のものにする」とかってのがこれです(アナグラムともいいますな)。あと、「別に対応表を作って変換」って方法もあります。この場合対応表がないと…苦労はするけど暗号解析の気分で解析すれば多分なんとかなるでしょう :-P
ノタリコン。これは省略法といわれます。頭文字をとって単語にする「あれ」ですね。いんふぉめぇしょんてくのろじぃをITって略したり。…ってことは。昨今のIT業界で流行しやすい略語はやはりノタリコンなのでしょうか :-P
ゲマトリア。一部でよく占いに使われて「数秘術」とかなんとか言われてますが私は限りなく否定的見解を持ってます。基本的にゲマトリアは「ある単語とある単語、もしくはある単語とある文章が等しいことを暗喩するためのもの」です。…って書くと難しいので以下に簡単な解説を。
カバラはヘブライ文字であらわす文章が多いのですが。この各文字に数字を割り当てていきます。aが1でbが2で…みたいに。ちなみに10の次は11にはならず20になります。で、90、100、200、300…となっていきます。この辺の対応表は面倒なので省略。
ここでポイントなのは、例えば「100の値を割り当てられた文字1文字と50の値を割り当てられた文字2文字」は同一の数値になります。具体的には、100に相当する「Q」、50に相当する「N」、20の「K」、30の「L」を用いたとすると、ゲマトリア的には以下が成り立ちます。
Q = NN = NKL
この発想を応用すると、一見「ぜんぜん違う」ようにみえる二つの単語の値が「等しい」場合、その両者には「なんらかの関係がある」と暗喩していることになるわけです。特に天使の名前とかで不可解なものは、大抵この方法で「その本質」が述べられてる…みたいです。さすがに全部はチェックしてないので(できるかい)わかりませんが。

つぎ。教義的カバラは「もうちょっとカバラにどっぷりとはまってから」お勉強のために学べばいいので省略します(ゾハールとかあのあたりがこれにあたります)。
「書かれざるカバラ」は「書いてもわかんない内容(瞑想とかして把握してねっていう内容)」なので、書けません。っちゅか書けたら言論矛盾してしまいます :-P


以下、本題です。
お待たせしました。っちゅわけで、ここで扱うのは魔術カバラもしくは実践的カバラと呼ばれるものです。
さらに厳密には、この中でも「生命の樹」と呼ばれるものを特に扱います。
生命の樹とはなにか。…あえて暴論で一言で要約します。「分類のための指針」です。「何を分類するのか」といえば「全て」としか言いようがないのですが。
とりあえず、さまざまな思想考察の方向性でのいい指針となりますので、「応用できるレベルまで」習熟するのが望ましいです。…どれだけの時間労力が必要なのかについてはここでは述べませんが。

私の場合、タロットも星も、基本的にカバラがベースになっています。またそのまんまストレートに「生命の樹」というスプレッドも持っています。
暫くは「何に使えるのかよくわからないまま勉強を重ねる」ことになるかと思うのですが。そのうち「ああ!」という瞬間が来るかと思いますので、気長に勉強していただければと思います。

生命の樹は、10の球体と、その球体同士をつなぐ23本の小径(みち)によって成り立っています。
まずは10の球体(セフィラー)について学び、しかる後に23本の小径について学んでいきます。

…で進めるとよいのですが。その前に、ちょっとだけ。
生命の樹の最上部、ケテルの上には、3つの「不可視のヴェール」が隠されています。この説明をざっくりとしてしまいましょう。

ケテルは(後で詳しくやりますが)「沸き出でる一点」です。では「どこから」沸き出でるのでしょうか?
とりあえず沸き出でる前は「無」であろうことから、ここで「無」という概念が出てきます。
…ここで止まると楽は楽なのですが。このままでは「無」は「無」のままで、その後が続きません。困るので続けてみます。
最終的にケテルからは「無限に沸き出でる」という概念があることから、どうも「無限」ってのがあるっぽいです。というわけで、変換方法は不明ながら、「無」に続いて「無限」があるらしいことがわかります。
ただ「無限」だけだと"なにが無限なの?"って話になります。純然たるエネルギーは光として捉えられることが多いので、ここで無限の光「無限光」の存在を仮定してみましょう。

つまり、「無」から「無限」が。「無限」から「無限光」が。そうして「無限光」に導かれて初めてケテルという「第一点」に到着するわけです。
このため、生命の樹は「3つの不可視のヴェール」がかけられています。
無:アイン
無限:アイン・ソフ
無限光:アイン・ソフ・アウル

人が計り知れないこのヴェール。ただ「存在する」事だけは覚えておきましょう。


戻る 
(C) 2005 GalludA All Right Reserved
E-Mail gallu@m-fr.net