雑)Tarotはなぜあたる?

「Tarotは偶然という必然を読み取るための道具である」
一言で答えを出すとこんな感じでしょうか?
このままでは「???」が頭の上に乱れ飛ぶかたも多いと思いますので、解説をしていきたいと思います。

なぜ占いが当たるのか? これは、よく耳にする質問の一つです。私の場合はTarotが中心なので、必然的に、占いという部分がTarotという言葉に置換された状態での質問を受けることが多いのですが。
非常に好意的であるかまたは好奇心が旺盛な方の「純然たる知的好奇心」から悪意がある方の「あたるはずないじゃん的否定的疑問」に至るまで、ずいぶんと大量の質問を私も耳にしています。
特に後者の場合「適当にまぜて偶然そのカードが出ただけでしょ?」「星占いとかなら統計学とかでわかるけどTarotなんて適当じゃん(いつかチャンスがあれば書きますが、星だの姓名判断だの、あのあたり、別に統計学ではありません。っていうか「統計学的に信憑性がもてるほどの膨大な調査資料」があれば是非見てみたいものです)」など、疑問文という形式をとってはいるものの明らかにその背後には「信憑性がない」と主張したそうな気配がぷんぷんと漂ってくるものです。

私の場合、特に後者の人にそういう質問をされたときは「ええ、あたりませんよ?」の一言で会話をぶったぎってしまうことも多いのですが。始めから議論をするつもりのない、自分の否定的狭量な見解を押し付けてくる人間と一緒に時間をつぶすほどの被虐的趣味もありませんし。
ただまぁ真面目に質問をしてくる方もたまにいらっしゃるので。占いをプロとしてやっている以上、この質問に対して、せめて「自分なりの見解」くらいはきちんと伝えたいと思い、色々考察を繰り返して現在に至っているわけです。

とまぁ前置きはこれくらいにして、本題に入りましょう。
実は「否定的な質問」の中に、答えへの大きな鍵が隠されているのです。
「適当にまぜて偶然そのカードが出ただけでしょ?」
偶然。便利な言葉ですね。その背景になにがあるのかをまったく考察せず、人間をいきなり「無考察な生き物にしてしまう」、呪文のような単語です。
例えば、ケルト十字という占法(スプレッド)を使って、過去の位置にあるカードが出たとしましょう。その確立は単純に考えても78分の1の確立です。ウェイト版の場合はカードの上下(正逆)も見るのでさらに*1/2の確立。トートの場合、近しいカードから品位を判定するのでもっと低い確率になります。
では、皆様に逆に質問をいたしましょうか。
「なぜ"偶然"そのカードがこの場所に今出てきたのですか?」

大抵の人は困惑してしまいます。「まさか偶然に意味を求められるとは…」という感じなのでしょう。
人によっては、ムキになって「そんなもの偶然だ。意味なんて無い」という主旨の答えを出してくるかたもいらっしゃいます。

端的に答えを返すと。我々は、あるいは少なくとも私は「偶然にも意味がある」と考えています。
少し胸に手をあてて、心を昔に傾けてください。自分の体験で、或いは人の話で。関係ないはずの事象が未来を暗示したり過去を象徴したりしてたことはないでしょうか?
分かりやすく例を挙げてみましょう。
カラス(もしくは他の鳥)が急に飛び立つのを見て胸騒ぎがすると、身内や大切な友人が亡くなっていた。
会社や学校からの帰宅途中、妙にカレー屋さんの匂い(あるいは他の食べ物の匂い)が気にとまっていた。帰ると、夕飯はカレー(あるいは他の-気になった香りの-食べ物)だった。
などなど。

大きな出来事には予兆がある、という話はいたるところで耳にします。ミクロコスモとマクロコスモ、という単語は西洋魔術ではよく出てきます。中国の易における梅花心易は「偶然目に留まった物」+「占いを思い立った時間」という偶然を必然としてとらえますし、「占いを思い立った時間」という偶然を用いる占いなら、西洋占星術のホラリー占術もそれに相当します。
つまり、私は「偶然起きた」その事象が「なぜ」起きたのか、その部分に注目をしているということになります。
そうして、そのあたりをちょっと大風呂敷広げた言い方をしますと「全ての偶然は必然である」というところにたどり着きます。
後は、発生した偶然の意味を読み取ればよいわけです。まぁ、そこが一番大変なのですが(苦笑

ここで、もう一度本題に戻してみましょう。
Tarotはなぜあたる?
Tarotがあたるのではなく、Tarotを使って占う行為という「偶然」を発生させ、その偶然を分析することでその偶然が起きた「必然」を知ろうとしているわけです。
そうして、分析が正しければ、発生した「偶然」の背景にある内容が読み取れるわけですから、当然のことながら、過去、現在、未来のことが分かる、ということになります。

Tarotがあたるのは「Tarotは偶然という必然を読み取るための道具である」から。
これが、私のTarotに対する見解です。


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