雑)13星座占い

一時期を境に耳にするようになった13星座占い。…で、これはなんで出てきて、どれくらいの実効性があるんでしょうか?

まずは13星座占いが出てきた経緯をおさらいしてみましょう。…の前に、まず12星座について。
たまに「黄道12星座」なんて単語を見た人がいるかもしれませんが。この「黄道」というのがポイントであり曲者であり、です。
黄道というのは、天文学の用語でして、そこから説明が必要になります。
まず「天球」ってのがあって、これはなにかというと「地球を中心に球面があり、全ての星はその球面上を運行しているってみなす」っていう考え方です。なんでこんなことをするかって言うと、暦を計算するときに便利だからです。
で。「大円」って用語がありまして。これは「平面が球の中心を通るときに、球と平面が交差してできる円」です。…っていってもイメージがわきにくいので。例えば、地球(正確には地表)という球面があって、よこにちょん切るような平面との大円が赤道だったりするわけです。
んでもって。天球という仮想の球体の球面で、太陽が通る見かけ上の通り道を、これをさして「黄道」って呼びます。
ふぅ。…さて。
星に輝く星座ってのもまぁ、上記の理屈から「天球にへばりついてる」もんなんですが。黄道の通り道には従来12の星座がひっかかってまして、ゆえに12星座による占いってのがあるわけです。
ところが。
この黄道ってのが、実はゆっくりゆっくりとずれてきます。細かい話は露骨に天文学的専門的文章になるので避けますが(って言いつつ簡単にかくと、歳差現象で天の赤道とか春分点の位置とかがずれます、っていうのを基準に、黄道もずれていきます)。
なにせ12星座発祥は2000年以上も前のお話なので。その辺の天文学的なお星様の事情ってのは微妙にずれてきているんですね。

で、このあたりから13星座のお話になっていくのですが。
時は1995年。イギリスの天文学博士にして作家であるJacqueline Mitton(ジャクリーン ミットン)が、黄道上に、端が引っかかる程度ではあるものの(ヘビ使い座を構成するうちの、大男のカカトの一部)、じつはもう一つ星座があることに気づいたんですね。で、CNN放送で発表をしたようです。
で、まぁ正直なところ、12星座の旧来の星占いは、天文学的な意味での星座とは微妙に相容れない(あまり厳密に見ていない)部分などなどありまして。で、まぁ「現在の正確な天体の動きを基準にした星占いを!!」っていう流れから、13星座占いってのが発生しました。そういう意味で、13星座は12星座と比較して、より「天文学的な意味で正しい」見方をしているといえます。

ただ…じゃぁそれが「占い」としてどこまで用いられているのか、っていう話になるのですが。
正直なところ、私はまだ懐疑的です。使える使えないのまえに、まだ誕生からあまりにも若く、きちんとした研究があまりなされていないからです。
また、12星座できちんと占う方は例外なくEphemeris(エフェメリス)という星の運行データの表があり、太陽以外にも月やら火星やらなにやら、本によってはドラゴニウスという「架空の天体」までを含め、そういった星々の動きの表があるのですが。で、それを使って占うのですが。
13星座のEphemerisとかHoroscope(ホロスコープ:ある瞬間の星の配置図。バースディチャート(出生図)とかがポピュラー)を見たことがないので。
また、占いは本来、例外なく「神秘学的なバックボーン」を持つのですが。そのバックボーンへの考察も見ないですねぇ。個人的には「生命の樹と13星座の対応」とか、興味はあるのですが。

新しいものを闇雲に否定するつもりは全然ないです。ただ、同様に「新しいから」持ち上げるつもりもないです。
そういうわけで、13星座占いについては「今後の研究に期待」でしょうか?


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