M・あろっく マスタリング技量分析
説明
TRPGにおける「楽しさ」はGMのマスタリング能力に依存するところが大きい。
過去、GMのマスタリング能力について論じたものはあったが、多くのマスタリング論では技術的なものと嗜好的なものについて分離して言及されることがあまりなかった。そのため、一般に行われているセッションでは、嗜好の違いにより「楽しさ」が得られないときに、そのGMの能力を全体的に低いものとして捕らえがちである、というミスを往々にして犯していた。
そこで、本分析ではマスタリング能力のうち技術的な部分を切り取り「マスタリング技量」として分析できるように試みている。
分析には分析用紙1および分析用紙2を用いて行う。分析用紙の詳しい使い方については追記を参照されたし。
分野
マスタリング技量分析では、マスタリングする上での技量を以下の7つに切り分けて分析を行う。
準備
セッションにおいて事前に必要なものを準備するのは常に重要なことである。これはダイスやキャラクターシートなどの物理的なものから、セッション中のシナリオの内容や障害などにいたるまでの全てが含まれている。
教育
システム部分についてを始め、あらかじめ共通認識として知っておく必要がある事柄は、TRPGにおいては決して少なくない。それらの内容をいかに「意図したとおりに」伝えるか、言い換えるといかに教育するかはGMにとって重要なスキルである。
演出
PCが見ている状況や光景などは、PLが実際に見れるわけではない。そういった「現実」と「仮想」との垣根を取り払うために、必要な描写を十分なだけ行うことは非常に重要である。
芸人
あらゆる物語において、さまざまな人物は彼らなりの個性を放っている(或いはそれが「没個性」という個性であるかもしれないが)。TRPGにおいて、PC以外の人物(つまりはNPC)が「どのような人物であるのか」を生き生きと表現するか否かはセッションの出来を大きく左右する。
判事
システムは「公平に」扱われている必要がある。ただし「何を持って公平とするか」については十分な考察が必要となる点に留意せよ。
統括
システムに記述されていない事柄について、またセッション全体の管理(コンベンションにおけるなら終了時間にいたるまで)はGMの重要な責務である。
全体
最終的にTRPG(に限らないが)は「楽しかったかどうか」が非常に重要なポイントとなる。
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追記
当初は「コンベンションにおける推奨マスターの選定」のために作成されたものであった。
選定の運用は以下の流れに沿って行われた。
- 採点
- GMは「認定を受けたいシステム」でセッションを行う。セッションに参加したプレーヤーは、セッション終了後、分析用紙1に漏れなく記入を行う。
- 集計
- 全てのプレーヤーの記入した分析用紙1を回収し、分析用紙2を用いて集計を行う
集計においては以下の点を注意して行うこと。
- 0点を付けられている場合には、平均点欄の右側、(0)の位置に×印をつける
- 小数点以下は第二位まで有効として四捨五入した数値を記述する
- パーセンテージ計算は小数点で四捨五入する
また分析回数には[同じシステムを使用した分析の回数]/[当人の通産分析回数]を記入する
- 判定
- 総平均および各分野のパーセンテージを表1に当てはめ、個々の段階を求める。
表1
優
| 80%以上
|
良
| 67%以上
|
可
| 50%以上
|
不可
| 50%未満
|
以下の条件によって最終的なマスタリング技量を判断する。
- 総平均により求められる段階を基本とする
- ただし「不可」の分野がひとつある場合、上限を「良」とする
- ただし「不可」の分野がふたつ以上ある場合、上限を「可」とする
- 項目y以外で0点を付けられた項目がひとつでもある場合は「不可」とする
- コメント
-
- 0点がつけられた項目があれば「必須改善点」として記入する
- 「不可」となった分野があれば「推奨改善点」として記入する
- その他何か気づいた事柄があれば記入する。但し次の点に注意すること
- 単なる感想で済まさない。分析し、必要であればアドバイスを付け加えること
- 関連する項目がある場合は、該当するアルファベットを文末に付け加えること
運用は以下の通りに行われる。
- 初期認定
- 初めての分析対象者は、六ヶ月以内に同一のシステムで二回連続して「良」以上の判定を得ると、当該システムの「推奨GM」として認定されるものとする。システムが異なる場合はそれぞれの判定を別物として扱う。
- 維持認定
- 最後の分析日から六ヶ月以内に当該システムで分析をうけて「可」以上の判定を受けた対象者は、判定日から六ヶ月の間推奨GMとしての権利が延長される。
ただし継続判定において「可」で認定された分析対象者は、次回は「良」以上でなければ認定を取り消される。
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